皆さまこんにちは。水処理チームのTです。
先日、水族館の排水貯水槽の清掃を実施しました。一言で排水貯水槽といってもピンときませんよね。排水貯水槽は水槽で使い終わった水や濾過槽掃除で使用した井水、海水を一時的に溜めておく貯水槽です。その後、ポンプにより下水へ排水されます。
水が溜まっていない排水貯水槽は水処理チームも年に2回の清掃時にしかお目にかかれません。今回はせっかくの機会ですのでブログで紹介したいと思います。
まず排水槽の大きさですが、写真を見ていただければわかりやすいかと思います。

とても広いですよね?
排水貯水槽だけでも2槽あります。2槽合計の貯水量は450㎥!家庭のお風呂で例えると、約2250杯分にもなります。このように排水貯水槽の他にも水族館の地下には大きさの異なる貯水槽がいくつも設置されているのです。
ここで各貯水槽の役割と貯水量をご紹介します。
「井水貯水槽」約350㎥貯水!地下から汲み上げた井戸水を溜めています。溜めた水はポンプにより水族館各所に送ります。主に淡水水槽補給や濾過槽、バックヤードの清掃時に使用されます。「海水一時貯水槽」約40㎥貯水!タンクローリーから運ばれてきた海水を一時的に貯水しています。その後、濾過し「新鮮海水貯水槽」へ、こちらの貯水槽は3槽に分かれています。各水槽は配管でつながっているため、3槽の水位は一緒です。約700㎥貯水。ここから配管を通り各水槽へと補給されます。
画像はアマモ水槽裏のバックヤード、足元のマンホール(赤矢印)下に貯水槽があります。
こんな感じで貯水されています。


「魚類海水回収貯水槽」魚類水槽で使い終わった海水は回収され貯水槽に溜まります。約100㎥貯水。回収された海水は一度濾過しその後「海獣海水補給貯水槽」へ、約100㎥貯水。海獣水槽(イルカ、アザラシ、ペンギン)へと補給されます。海獣水槽で使い終わった海水は再び回収され、「海獣海水回収貯水槽」へ、約100㎥貯水。再び濾過を通り「海獣逆洗水貯水槽」へ、約100㎥貯水。最後に濾過槽掃除(逆洗)で使用されます。掃除後の水は最初に紹介した排水貯水槽へ。言葉だけだと難しいですので、海水と井水の一連の流れを図にしてみました。Fと表記されているのは濾過槽です。ちなみに貯水槽全てを合計すると約2000㎥が貯水できます。

「仙台うみの杜水族館」の海水は濾過を繰り返し、再利用しています。とても環境にやさしいエコな水族館なんです。ふだんは見えない場所ですが、水族館の地下ではたくさんの空洞!(貯水槽)が活躍しているんです。