みなさんこんにちは。魚類チームの阿部です。
近くの街路樹も紅葉してきたな~と思っていたら、あっという間に雪の季節がやってきました!年末も近づいてきたということで、以前行ったイベントで使用したものの整理をしています。
今回は、夏休み中に行っていた「Q&A」の整理をしていた時のお話です。
Q&Aは、お客さまから寄せられた質問と飼育員からの回答を掲示していたものです。
このQ&A、例年多くの質問が投書されるのですが、その中には毎年必ずそして何人もから寄せられる質問がいくつもあります。
これはつまり、たくさんの人が疑問に思っていること!
ということで、そのよくある質問のひとつ、

【クラゲの口はどこなんですか?】

を、Q&Aの回答よりもう少し詳しくお話ししたいと思います。


まず正解を先にお教えしますと、
ミズクラゲの口はここらへん↓

クラゲの口はカサ裏側の真ん中にあります。この口、なんとおしりの役割もしています!食べるのもうんちをするのも同じところからということです。サンゴやイソギンチャクも同じ‟口おしり“をしている生きものなのですが、実はこれクラゲの仲間だからなのです。

さて、ではどうやってクラゲはごはんを食べているのか!?
…とその前に、ごはんを食べるのに使う体の部位をミズクラゲでみてみましょう↓

①カサの縁に毛が生えているようにみえるのが【触手(しょくしゅ)】です。
刺す種類のクラゲはここに刺胞という毒針をもっています。ミズクラゲはこの触手でエサを捕まえます。
②カサの裏側から伸びているリボンのようにヒラヒラしているのが【口腕(こうわん)】です。
この口腕を使って、触手で捕まえたごはんを口へと運びます。
③カサの中央にある四つ葉のクローバーのような模様、これは透けてみえている【胃腔(いこう)】です。
ちなみに、五つ葉、六つ葉のクローバー模様のミズクラゲもいます。
この胃腔、わたしたちの胃にあたる部分で、口に入った餌はこの胃腔に運ばれ消化されます。

では今度こそ、クラゲがどうやってごはんを食べているのかをみてみましょう!
仙台うみの杜水族館ではエビの仲間のブラインシュリンプと呼ばれる生きた動物性プランクトンをあげています。
 

↑オレンジ色の液体に見えますが、これはブラインシュリンプがたくさん泳いでいる海水です。ブラインシュリンプはとても小さくうっすらオレンジ色をしてるので、たくさん入っていると濃いオレンジ色に見えています。


これをミズクラゲの水槽に海水ごと適量入れます。
すると…

クラゲの触手に次々とブラインシュリンプが捕らえられていきます。
ちなみにクラゲの周りを雪のように漂っているのが泳いでいるブラインシュリンプです。
ちょっとこのブラインシュリンプを拡大して撮ってみましょう…

私のカメラの腕ではこれが限界でした!
何となくブラインシュリンプの形分かりました?
小さいながらよーく見ると、肉眼でもこの形を見ることができますよ。

さて、ミズクラゲのお食事の様子に戻りましょう

触手で捕まえたブラインシュリンプを、口腕を使い次々口へと運んでいます。
口腕の根本で赤くエサが溜まっているところが口です。ごはんを食べていないと分かりづらい口ですが、食事中だとはっきり観察できます。
そして胃腔にもだいぶごはんがたまってきました。

体内に胃腔はありますが透けて見えるため、食べた餌も透けて見えます。
オレンジ色のブラインシュリンプをたくさん食べると、胃腔の色はオレンジ色に見えます。
胃腔からっぽの時のミズクラゲ↓

おなかいっぱいのミズクラゲ↓

見事にみんな胃腔がオレンジに色付いています。五つ葉、六つ葉の模様のクラゲもこれだとはっきり分かります。
私たちでいったら、きっと“おなかいっぱい”の状況ですね。

ミズクラゲには一日二回、午前中と夕方にごはんをあげています。ただ、他の生きもののように”「ごはんだ!」ワーーっ!!“と目で見てすぐ分かる派手な食べ方ではないので、なかなかクラゲのごはんタイムだと気づくのは難しいかと思います。
でも、他の生きものがパクっと食べて終わりなのに対して、ミズクラゲは、じーっくり時間をかけて食べているので、クラゲのごはんに遭遇する可能性は割と高いかもしれません?!
ミズクラゲの水槽にクラゲじゃない小さな生きもの(ブラインシュリンプ)が泳いでいたら、クラゲのごはんタイムのしるしです。
エサを食べる様子だけではなく、体の部位も分かりやすくなるので、遭遇したらラッキー♪クラゲのテンポに合わせてじーっくり観察してみてください!